心内知性 ~セルフコンセプト~
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これは自分の心理的な状態を自分で捉える知性のことです。
自分で自分の心理状態がつかめていなければ、自分の感情を調整することはできません。
感情が調整できなければ、当然、論理的思考力などいわゆるIQ的能力を発揮することも難しくなります。
また、周囲の人間(部下、後輩、同僚、家族など)に適切に働きかけることも難しくなります。
自分自身の心理状態をつかんでおくことは、EQの基本となる知性と言えます。
● 自分の心理状態が自分で分る人ほど、心内知性が高い人です。
第1の知性「心内知性(セルフコンセプト)」を構成しているのは、自己認識力、ストレス共生、気力創出力の3つの能力です。
自己認識力
自分の中にある情動や感情を自分で分るということ、これを「自己認識力」と呼んでいます。
自己認識力は、EQの最も基本的な能力です。自分の現状を自覚することから全てが始まるといっても過言ではありません。
自己認識力ができなければ、情動に流されてしまい、対人的な知性の発揮ができなくなります。
自分が何をどう感じているのかを冷静に客観的に把握できる人はEQの高い人です。
EQIでは、自分を冷静に見ようとする程度を「私的自己意識」と「社会的自己意識」という2つの素養で測ります。「抑鬱性」と「特定不安」を加え、自己認識力を測定しています。
自己認識力 | 私的自己意識 | 自分の感情状態を知り、自分がどのような人間か知ろうとする事 |
社会的自己意識 | 自分が周囲にどのような人間として移っているのか知ろうとする事 | |
抑鬱性 | 精神的な落ち込みや過去や現在の自分に対する悲観的・否定的な考え方 | |
特性不安 | 現在や将来の出来事に対する不安の感じやすさや心配の度合い |
ストレス共生
「自己認識力」ができると、その情動を適切な状態に調整しておく能力が形成されてきます。
具体的にいえば、怒りや不安、恐れなど、否定的な情動を自分で鎮め、調整することです。つまり、ストレスを感じた時、腹立ち紛れに仕事を投げ出してしまうような衝動的な行動を調整する必要があることはいうまでもありません。
情動の調整ができない人は、常に不快な気分と戦わなくてはなりません。他方、情動を上手く調整できる人は、逆境や混乱からも早く立ち直ることができす。
ただし、調整とは、単に否定的情動をやみくもに抑え込むことではありません。適切に処理することです。
EQIでは、「自己コントロール」、「ストレス対処」、「精神安定性」の3つの素養で「ストレス共生」を測定します。
ストレス |
自己コントロール | 自分の感情や考え、行動を調整する事 |
ストレス対処 | 自信のなさ、不安の感じ易さといった否定的な感情を認識し、調整する力 | |
精神安定性 | 精神的な動揺の程度、落ち着きや気分のムラの程度の事 |
気力創出力
情動を自己認識し、これを適切に調整しても、それだけでは対人的な能力を発揮することはできません。
肯定的な情動状態を自分の中に作り出し、それを維持しつづける必要があります。車にたとえていえば「自己認識力」や「ストレス共生」はエンジンの部分です。
しかしエンジンだけできていても車は走りません。ガソリンが必要です。このガソリンにあたるのが「気力創出力」というわけです。
つまり「気力創出力」とは、自分自身を燃え上がらせるような精神状態をいいます。この精神状態の中には、自信や自尊心、やる気などが含まれます。
これらの特性を、EQIでは「セルフ・エフィカシー」「達成動機」「気力充実度」「楽観性」の4つの素養で測定します。
ただし「やるぞ」という達成への強い動機ばかりでは息切れしてしまいます。併せて「何とかなる」という楽観性とのバランスも重要となります。
気力創出力 | セルフ・エフィカシー | 自分の知識や能力への自信の程度、物事への肯定的な見込み |
達成動機 | 物事への取り組みの粘り強さとやる気の事 | |
気力充実度 | 精神的なエネルギーの強さの事 | |
楽観性 | ポジティブシンキング、割り切りの良さの事 |
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