EQは伸ばせる能力

 

コミュニケーションに課題がある人は、EQに問題がある

EQは人の感情を認識することから始まり、最終的に効果的な行動をとることで完結されます。 この間、わたしたちは4つのサイクルをたどり、それぞれの状況にあわせてEQの構成能力を発揮しています。
しかし、それらはほとんど無意識のうちに、また瞬時に行なわれるため、たとえば「いま、自分は『感情の利用』の段階にいるな」などと実感することはまずありません。

このため、対人関係がうまくいかず悩んでいるような人でも、いったい何が原因で、どうしたらうまくいくのかはなかなか分からないものです。
実は、同僚などとの対人関係や部下へのマネジメント、周囲とのコミュニケーションなどで行き詰まりを感じている人には、「感情の識別」から始まる4つのEQサイクルのうち、いずれかの能力、あるいは複数の能力に問題があるケースが多いのです。
もし、自分はあまり周囲とのコミュニケーションがうまくいっていない、あるいは、部下の動かし方が分からない、上司との接し方が分からないといった悩みをお持ちなら、自分で自分に以下の質問をしてみてください。これだけでも、自分はEQのどの個別能力を発揮していないのかが分かります。

「自分は、相手がいま、どんな気持ちかを識別しているだろうか」
「相手が、自分をどう見ているかを感じ取っているだろうか」
「目的のために、自分の感情を適切に利用しているだろうか」
「相手の立場に立って考え、相手に共感しているだろうか」
「相手がどう感じるかを先読みし、先手を取る言動ができているだろうか」
「自分の感情に振り回されることはないだろうか」

わたしたちは感情の動物です。感情そのものの生成を止めることはできません。しかし、それらの感情を、目的の達成のために利用することはできるのです。

 

どうしたらEQは伸ばせるのか

EQは誰もが生まれながらに持っている能力です。
ただ、その度合いには個人差があるのも事実です。そのため、周囲と上手にコミュニケーションをとれる人がいる一方で、人によっては周囲とのディスコミュニケーションを生じることになってしまうのです。
また、EQは遺伝などの先天的要素が少なく、後天的に高めることができる能力です。
サロベイ、メイヤー両博士も述べているように、EQは教育や学習、訓練などによって高めることができます。IQは先天的な要素が大きく、努力しても伸ばすには限界があるといわれていますが、EQはそうではありません。日常生活のなかに適切な訓練を組み入れ、それを行なうことで伸ばすことができるのです。

EQを高める第一歩は、「EQというのは能力であり、EQを発揮することは自分の能力を発揮することだ」という意識を持つことです。
「自分はいま能力を発揮しているのだ」と考えることが出来れば、「相手はいまどんな気持ちだろうか」と意識的に相手の感情を識別するようになりますし、相手に共感したり、自分をモチベートしたりすることにも積極的になります。

そして次に大事なことが、自分のEQを知ることです。
EQは基本的に「感情の識別」「感情の利用」「感情の理解」「感情の調整」という4つの個別能力を循環的に発揮することで機能しています。
これらの個別能力は緊密な関連を持ち、常に互いを補完し合うように連繋して動いています。
自分の感情を識別できなければ、それを利用することもコントロールすることもできませんし、他者の感情の原因やその後の変化を類推できなければ、適切な働きかけを行なうことは困難です。

つまり、適切にEQが機能するためには、EQを構成する4つの能力がバランス良く発揮されることが重要になります。自分のEQを知るとは、この4つの能力がどのようなバランスになっているかを知るということです。

ぜひ、EQI(EQ検査)を通じてご自身や会社組織全体のEQを測定してみてください。
その理解を通じて、EQを成長させるということで多くの良い変化を生むことが可能な第一歩を踏み出すことができるのです。


Source from Advantage Risk Management Co., Ltd.