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相手の様子を理解し、相手を受け入れ、その上で自分と相手との様子を客観的に観察する能力のことです。
自分のことが自分でわかり、自分の思いを適切に伝えられても、それに対する相手の様子が理解できなければ、一方的な働きかけに終わってしまいます。
これでは、将来にわたる良好な関係を築くことはできません。
相手がどんな思いでいるのか、相手は何をこちらに要求しているのか理解できなくてはなりません。
● 相手の様子を客観的に観察し、理解できる人は、状況判断知性(モニタリング能力)が高い人です。
第3の知性「状況判断知性(モニタリング能力)」を構成しているのは、対人受容力、共感力の2つの能力です。
対人受容力
「対人受容力」とは、今、現に関わっている相手の感情状態を理解し、受け入れることです。
自分のことを相手に伝えるばかりでは、良好な人間関係は構築できません。相手に受け入れてもらうには、まずは、こちらが相手の情動を受け入れる必要があります。
相手を受け入れれば、こちらの考えや主張が、相手に受け入れられるのです。
EQの高い人は、このことを心得ていて、決して一方的に自分の考えを押し付けたりしません。
ところで、人は誰に対しても無差別に自分の感じていることを伝えるわけではありません。 受け入れてくれそうな相手を選ぶのです。
つまり、相手の感情を受け入れてあげたいと思っても、そのような人物として、こちらが選ばれなければ話になりません。
この点を、我々は「オープンネス」という素養で測ります。
相手から感じていることを伝えたい人物であると選ばれたら、次に求められるのは、相手の情動に対する感受性です。
感受性がなければ、相手の情動を上手く受け入れることができません。
この点を、我々は「情緒的感受性」という素養で測ります。
さらに、感受性を発揮するためには、相手の状態と、自分の状態の両方が分っていなければなりません。
自分の状態を自分で観察して、調整していくことが求められるのです。
このような総合的知性を「モニタリング能力」と呼んでいますが、EQIではこの知性を「状況モニタリング」という素養で測定します。
対人受容力 | オープンネス | 人にどの程度自分から心を開き、人の心を自分に開かせるかという事 |
情緒的感受性 | 相手の気持ちを敏感に察知し、理解していく事 | |
状況モニタリング | 状況を客観的に観察し判断し、自分の行動の手掛かりにする事 |
共感力
「共感力」とは、相手の感情状態を我がことのように主観的に感じることができる能力のことです。
これは、2つの側面から構成されていると考えられています。
1つは、相手の感情への認知的理解の側面であり、もう1つは、相手の感情への感情的反応の側面です。前者は「相手の感じていることが分る」ということです。言わば、理屈で理解できるということです。
これに対して、後者は「相手と同じように感じる」ということです。
相手と一緒に喜んだり悲しんだりできるのは、感情的反応のことです。EQIでは、相手の感情への認知的理解については「共感的理解」という素養で測ります。
また、相手の感情への感情的反応については「感情的暖かさ」と「感情的被影響性」という2つの素養で測定します。
ただし、「感情的被影響性」は、ありすぎても問題があります。
共感力 | 感情的温かさ | 人間関係の基本となる、人に対する温かい心遣いや接し方の事 |
感情的被影響性 | 周囲の状況への巻き込まれ易さ、人の感情への呑み込まれ易さの程度の事 | |
共感的理解 | 相手の気持ちに寄り添いながら話を受け取り、自分以外の人の気持ちを理解し汲み取っていこうとする事 |
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